2022.06.23豆知識

ガラスは熱に弱い?

ダミー

「ガラスのコップに熱いお湯を注いだら割れてしまった」なんて経験から、ガラスは熱に弱いと思っている人も多いかもしれません。しかしながら、硝子は1600℃で溶解され800℃で成形されるものですから、熱には強いはずです。 それでは、なぜガラスは熱で割れるのでしょうか?

 

ガラスの弱点は「熱」ではなく、 温 度 差 による「熱衝撃」!

ガラスは加熱されると膨張し、冷やされると収縮します。加えて金属に比べ熱伝導率が低いという性質を持っています。ガラスびんに熱い内容物を充填して冷たい水に浸漬した場合、熱伝導率が低いために全体の温度がすぐには均一にならず、びんの内外に温度差が生じます。内側は内容物の熱によって温められ膨張しますが、外側は水によって冷やされ収縮します。一方では膨張し、一方では収縮するという反対の応力が働くことで全体のバランスを崩し、びん表面の微細な傷を起点として割れが生じるのです。

急熱急冷図

 

この、急熱または急冷により物体内に急激な温度変化が生じ、衝撃的な熱応力が発生する現象を「熱衝撃」と言います。
ちなみに急熱と急冷では急冷の方が割れやすいのですが、これはびん外表面に引張る力が発生し、びん外表面の微細な傷を起点として割れるためです。(びん内面には傷がつきにくいため、急熱には強い)

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